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Illustrator CC スーパーリファレンス for Windows
 Illustrator CCは、今回のバージョンアップで通算バージョン17となります。名称がCS7ではなくCCになったのは、Illustratorの提供方法がCreative Cloudによるダウンロードがメインとなったためです。CCはCreative Cloudの略です。


 ダウンロードといっても、ダウンロードからインストールまでが自動で行われます。スマホのアプリのインストールと同じと考えればよいでしょう。また、Cloudといっても、インターネットに常時接続している必要はありません。インストールしてしまえば、これまでのIllustratorと同じように使用できます。


 新しい機能としては、文字をインラインのまま変形する文字タッチツールがあげられます。従来なら、1文字ずつ独立したオブジェクトに分けていた作業が、1つのテキストの状態で1文字ずつ変形できます。ポイント文字とエリア内文字の変換機能も、とりあえず文字を入力して、後から使い勝手のよいほうに変更できるので、なかなか便利な機能です。


 また、フォント検索機能の強化も見逃せません。フォント名の一部を条件として絞り込み表示できるので、たくさんのフォントを使用するクリエイターにはたいへん便利な機能なはずです。「スウォッチ」パネルにも検索機能が付きました。スウォッチの名称は、通常カラー値が初期状態ですから、「C=50」のように検索すれば「C=50」のスウォッチだけを絞り込んで表示できます。


 従来からの機能の強化として、自由変形ツールも進化しました。これまでは、複数のキーコンビネーションで変形しなければなりませんでしたが、変形目的をウィジェットで選択できるようになり使いやすくなりました。


 ブラシの機能強化として、散布ブラシやアートブラシでイメージ画像が使えるようになりました。写真画像をそのままブラシソースとして使用できるので、表現力が高まることでしょう。
 また、パターンブラシの作成が驚くほど簡単になりました。従来は、コーナータイルやサイドタイルなどをあらかじめ用意する必要がありましたが、Illustrator CCでは、サイドタイルから自動的にコーナータイルを生成する機能が追加されました。


 印刷関連の新機能として、「白のオーバープリントの削除」が追加されました。これは、偶発的に起こってしまうホワイトオブジェクトのオーバープリント設定を印刷時に削除する機能です。また、「分版プレビュー」パネルには、使用している特色だけを表示する機能が追加されています。


 ファイル関連では、「配置」コマンドで複数ファイルの配置に対応しました。また、「リンク」パネルが強化され、詳細な情報が表示できるようになりました。また、パッケージ機能が追加され、アートワークにリンクで配置した画像をフォルダーにまとめられます。これは、リンクファイルを多用するクリエイターにとって、納品時の手間を省くことができる機能です。また、埋め込んだ画像をファイルとして取り出すことも可能となりました。


 最後に忘れてならないのが、Cloudを使った機能です。各種設定をCloudに保存しておくことで、異なったPCやMacでの操作環境を統一することができるようになりました。その他にも、新しくなったKulerなど、Cloudを使った新機能が追加されています。


 本書は、IllustratorCCの新機能も含めて、Illustratorのほとんどの機能を、図解で詳細に説明しています。最初から最後まで読破する必要はありません。Illustratorを使ってみて、わからないことがあったら本書を開いてください。


 Illustratorを使いこなすのに、ほんの少しでもお手伝いができたら幸いです。

(本書「まえがき」より)
カバーイメージ
著者:井村克也
B5変形・416ページ・オールカラー
本体価格:2,380円+税
ISBN978-4-8007-1002-4
 
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目次を表示する ≫
Part 1 知っておきたい描画前の基礎知識
Chapter1.1 Illustratorの特徴
Chapter1.2 Illustratorのインターフェイス
Chapter1.3 画面表示モード
Chapter1.4 ショートカットキーを上手に使おう
Chapter1.5 アートワーク画面と書類設定
Chapter1.6 アートボードの設定

Part 2 オブジェクトを描画する
Chapter2.1 パスのしくみを覚えよう
Chapter2.2 線を描く
Chapter2.3 さまざまな図形を描く
Chapter2.4 フリーハンドで描く(鉛筆ツールとブラシツール)
Chapter2.5 塗りブラシツールと消しゴムツール
Chapter2.6 画像トレース
Chapter2.7 グラフを描く
Chapter2.8 遠近グリッドを使った描画

Part 3 オブジェクトの選択
Chapter3.1 オブジェクトを選択する
Chapter3.2 「レイヤー」パネルを使った選択
Chapter3.3 「選択」メニューを使いこなす
Chapter3.4 オブジェクトの選択に便利なコマンド

Part 4 オブジェクトの編集
Chapter4.1 オブジェクトの移動と削除
Chapter4.2 オブジェクトのコピー
Chapter4.3 パスの調整
Chapter4.4 オブジェクトの整列
Chapter4.5 シェイプ形成ツール
Chapter4.6 レイヤーの操作
Chapter4.7 「重ね順」コマンドで前後関係を変更する

Part 5 色を設定する
Chapter5.1 オブジェクトの色を指定する
Chapter5.2 「スウォッチ」パネル
Chapter5.3 「カラーガイド」パネル
Chapter5.4 線の設定
Chapter5.5 グラデーションの作成
Chapter5.6 パターンの作成
Chapter5.7 透明効果と描画モード
Chapter5.8 アピアランス

Part 6 オブジェクトの見た目を変えるいろいろな機能
Chapter6.1 ライブペイント
Chapter6.2 グラデーションメッシュ
Chapter6.3 ブラシの利用と作成
Chapter6.4 複数オブジェクトの色の調整
Chapter6.5 「グラフィックスタイル」パネルを使う
Chapter6.6 シンボルの活用
Chapter6.7 不透明マスク

Part 7 オブジェクトの変形
Chapter7.1 バウンディングボックスによる変形
Chapter7.2 "オブジェクトの変形(拡大・縮小、回転、反転、シアー)"
Chapter7.3 ブレンド
Chapter7.4 リシェイプツールによる変形
Chapter7.5 パスをアウトライン化する
Chapter7.6 パスのオフセット
Chapter7.7 オブジェクトを分割する
Chapter7.8 パスの中に透明な穴をあける(複合パス)
Chapter7.9 クリッピングマスクを作成する
Chapter7.10 リキッドツール
Chapter7.11 エンベロープ(ワープ効果)

Part 8 文字の入力とテキストオブジェクトの操作
Chapter8.1 文字の入力と組み版
Chapter8.2 文字の編集
Chapter8.3 OpenType・異体字
Chapter8.4 段落設定と日本語組み版
Chapter8.5 テキスト処理の便利な機能
Chapter8.6 文字スタイル・段落スタイル
Chapter8.7 旧バージョンとの互換性

Part 9 効果
Chapter9.1 効果とは
Chapter9.2 「3D」効果
Chapter9.3 「スタイライズ」効果
Chapter9.4 「パスの変形」効果
Chapter9.5 「パスファインダー」パネル/「パスファインダー」効果
Chapter9.6 「形状に変換」効果
Chapter9.7 その他の効果
Chapter9.8 Photoshop効果

Part 10 保存/データ書き出し/アクション/プリント
Chapter10.1 アートワークを用途別に保存する
Chapter10.2 他のデータ形式で書き出す
Chapter10.3 Flashとの連携とSWF書き出し
Chapter10.4 Web用に保存する
Chapter10.5 スライスの利用
Chapter10.6 CSSのコピーと書き出し
Chapter10.7 アクションとバッチで操作を自動化
Chapter10.8 画像配置と「リンク」パネル
Chapter10.9 プリントと分版

Part 11 環境設定
Chapter11.1 環境設定で使いやすく
Chapter11.2 キーボードショートカットの編集
Chapter11.3 カラー設定について
Chapter11.4 「定規」「ガイド」「グリッド」「情報」パネル
Chapter11.5 Creative Cloudを使った設定の同期
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