Fedora 9で作る
最強の自宅サーバー 補足情報

●ダイナミックDNSの登録

Chapter 4-2ではダイナミックDNSのyi.orgを利用する方法を紹介しています。しかし、最近になりyi.orgへの新規登録を受け付けなくなってしまっています。そのため、他のダイナミックDNSへの登録および設定を行って利用するようにしてください。

ここでは、ダイナミックDNSの「私的DynamicDNS」に登録する方法について紹介します。以下の手順に従って設定を行ってください。

また、本書の「yi.org」の記述をすべて「mydns.jp」に置き換えて設定を行ってください。

なお、最新版の「Fedora 10で作る最強の自宅サーバー」では私的DynamicDNSに登録する方法を紹介しています。

●ダイナミックDNSに登録する

p.142から150までの「ダイナミックDNSサービスに登録する」を以下の手順に置き換えてください。

1. 登録はWeb上で行いますので、Webブラウザを起動します。Webブラウザを起動するには、「アプリケーション」メニューから「インターネット」―「Firefox ウェブ・ブラウザ」を選択します。

2. URL欄に「http://www.mydns.jp/」と入力して[Enter]キーを押します。すると「私的DynamicDNS」にアクセスします。次に左にある「REGISTER」をクリックします。

3. アカウントの登録を行います。「お名前」、「御住所」、「電話番号」、「メール」のそれぞれの欄に入力を行い、「確認」ボタンをクリックします。

4. 入力の確認が表示されます。間違いがなければ「登録」ボタンをクリックします。

5. 登録が完了すると、入力したメールアドレス宛にIDとパスワードが記載されたメールが届きます。このMasterIDとパスワードをログイン時やIPアドレスの変更時に利用します。

6. 私的DynamicDNSのWebページの右上にある「MasterID」と「Password」にメールで送られてきたIDとパスワードを入力し、「LOG IN」をクリックします。

7. 正常にログインが行えたら、ドメインの登録を行います。画面左の「DOMAIN INFO」をクリックします。

8. 「ドメイン名」に利用したいドメインを入力します。「mydns.jp」ドメインは無料で利用が可能です。これに任意のサブドメインを付加してしています。例えば、サブドメインは「kzfnet」としたい場合は「kzfnet.mydns.jp」と入力します。また、MXレコードも同時に指定しておきます。通常はドメイン名と同じ内容を入力します。次にホスト名を指定します。サーバーやこのドメイン名で利用したいマシンに指定しているホストの名前を「ホスト名1」から「ホスト名5」まで入力できます。例えば、自宅サーバーのホスト名を「server」としたい場合は「ホスト名1」に「server」と入力します。また、ホスト名が何でも良い場合はワイルドカードを利用することができます。ワイルドカードを利用したい場合は「ホスト名1」に「*」と入力します。入力ができたら「確認」ボタンをクリックします。

9. 入力下内容の確認が表示されます。良ければ「登録」ボタンをクリックします。

10. 次にIPアドレスを登録します。画面左の「IP ADDR DIRECT」をクリックします。「IPアドレス」に自宅に貸与されているIPアドレスを入力します。現在のIPアドレスは、画面右の「You access from」の後に表示されています。「確認」ボタンをクリックします。

11. IPアドレスの確認画面が表示されます。良ければ「登録」ボタンをクリックします。

これで登録完了です。ドメイン名が実際に適応されるまで10分程度かかります。また、長いときは1時間程度かかる場合があります。もし、名前解決が正常に行えない場合でも、数時間後に再度名前解決を行ってみましょう。

●ホスト名を変更する

p.151から153までの「ホスト名を変更する」については、本書の手順通りに設定を行ってください。ただし、ドメイン名については「yi.org」を「mydns.jp」に書き換えてください。

●自動的にIPアドレスを更新

p.154から161までの「自動的にIPアドレスを更新」を以下の手順に置き換えてください。

時間が経過すると、ISPによってはユーザーに貸与するグローバルIPアドレスが変更する場合があります。IPアドレスが変わった場合はその新しいIPアドレスをダイナミックDNSサービスに伝え、IPアドレスを更新する必要があります。

私的DynamicDNSでは、IPアドレスの更新方法としてWebページにアクセスして変更する方法やDiCEなどといった更新用アプリケーションを利用する方法、POPメールの認証を利用する方法、FTPの認証を利用する方法などが用意されています。ここでは、POPメールの認証を利用する方法を使ってIPアドレスを自動的に更新するようにします。

POPサーバーにアクセスするには、メールクライアントを利用する方法やメールが届いているか確認を行うアプリケーションを利用する方法、自動的にメールを取得するアプリケーションを利用する方法があります。ここでは、自動的にメールを取得するアプリケーションの「Fetchmail」を利用して私的DynamicDNSのPOPサーバーに認証を行うことにします。

1. Fedora DVDあるいはnetinstを利用してインストールを行った場合はfetchmailがインストールされていますが、Fedora Live(Live CD)を利用してインストールを行った場合は、fetchmailはインストールされていません。そこでまず、fetchmailをインストールします。GNOME端末を起動し管理権限を得ます。次のように実行してfetchmailをインストールします。

yum install fetchmail

2. 管理権限でgeditを起動します。

3. geditが起動したら以下のように入力します。この際、「username」と「password」の項目には私的DynamicDNSから届いたメールに記載されているMasterIDとパスワードを指定します。

defaults
no rewrite
no mimedecode

poll mail.mydns.jp
protocol pop3
username <私的DynamicDNSのMasterID>
password <私的DynamicDNSのパスワード>

4. 入力したらツールバー上の「保存」ボタンをクリックします。「別名で保存」ダイアログが開いたら、名前に「.fetchmailrc」と入力し、「フォルダの中に保存」から「root」を選択します。保存が完了したらgeditを終了します。

5. 作成した設定ファイルのアクセス権限を変更します。GNOME端末を起動しroot権限を得てから次のように実行します。

chmod 710 /root/.fetchmailrc

6. 続いて定期的にIPアドレスを更新するようFetchmailを定期的に実行するように設定します。定期実行にはcronを利用します。次のように実行してcronの設定をテキストエディタで行います。

EDITOR=/usr/bin/gedit crontab -e

7. 10分おきに更新を行う場合は次のように入力します。入力したらツールバー上の「保存」をクリックしてgeditを終了します。

*/10 * * * * /usr/bin/fetchmail --all >/dev/null 2>&1

これでIPアドレスが自動的に更新するようになりました。

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