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インペリアル・スタウト
Imperial Stout
[ポーターIドライスタウトIオートミールスタウト]
インペリアル・ラシアン・スタウト(英)
グラント・インペリアル・スタウト(米)
ライオン・スタウト(スリランカ)
アサヒ・スタウト(日)★
キリン・スタウト(日)
18世紀後半より今世紀初頭にかけて、イギリスから、北欧やバルト諸国、帝政ロシアに輸出されていたために、その名が付いたビール。別名ラシアン・スタウトとも呼ばれる。
I.P.A.(India Pale Ale)と同様、輸送期間中の腐敗防止のために、極めて濃厚に造られているので、ボディは著しく重く、非常に複雑な味わい。アルコール度数も高いものが多い。
バルト三国や、フィンランドなど北欧各国でも造られ、これらの国では、一般的にポーターと呼ばれているようだ。
【イングランド】
インペリアル・ラシアン・スタウト
Imperial Russian Stout
イギリスの6大ビール会社のひとつ、カレッジが1980年までロンドンの醸造所で造っていたインペリアル・スタウトの流れを汲む、由緒正しいビール。現在は、カレッジの傘下にある、ヨークシャー州タドキャスターのジョン・スミス醸造所で造られている。
長期熟成してから飲む方がよいとされているのが特徴で、今回試飲した1989年醸造のものには、1999年頃が飲み頃と表示されていた。
王冠が描かれ、ロシアのキリル文字も入ったクラシックなラベルが目を惹く。
<テイスティング結果>
ボディは非常に重く、そのアルコール度数の高さゆえに、のどごしも極めて濃厚。名状しがたい独特のフレーバーがある。苦みも強い。
- 醸造所:ジョン・スミス・ブルワリー[カレッジ・グループ]
(イングランド・ヨークシャー州・タドキャスター)
- アルコール度数:10%(容積)
- 輸入元:日本ビール
【アメリカ】
グラント・インペリアル・スタウト
Grant's Imperial Stout
醸造元は、ポーターのページでも紹介した、ワシントン州ヤキマのグラント。このビールは、インペリアル・スタウトというスタイルに対する、アメリカのマイクロ・ブルワリーからの一つの回答と言える。
インペリアル・スタウトにしては、アルコール度数が低めだが、日本語のシール表記の4.5%よりは高い感じがする。
ラベルには、「ツァーの宮廷のお気に入り」と書かれ、モスクワなどにあるギリシャ正教の教会のような建物が描かれている。
<テイスティング結果>
桃、プラムのような香り。その後、わずかに苦みの混じった香りを感じる。フレーバーは、最初やわらかい甘みがあり、後味にはかなり強い苦みが感じられる。ボディは重く、のどごしはかなり濃厚。
- 醸造所:ヤキマ・ブルーイング・アンド・モルティング
(アメリカ・ワシントン州・ヤキマ)
- アルコール度数:4.5%(容積?)
- 輸入元:日本ビール
【スリランカ】
ライオン・スタウト
Lion Stout
かつてイギリスの植民地だったスリランカには、スタウトを造っている醸造所が2つある。片方の醸造所のものは下面発酵のラガーだが、標高約1900mの高地の町ヌワラエリヤにあるセイロン・ブルワリーで造られているこちらのビールは、スタウト本来の上面発酵。しかも、この町の店などで出されるものは、キャスク・コンディションド(樽内で2次発酵している)で濾過されていない、酵母の生きたリアル・エールだという。
インペリアル・スタウトと銘打たれているわけではないが、その濃厚さ(ボディの重さ)と、アルコール度数の高さゆえに、この項目に分類した。
<テイスティング結果>
酸味の感じられる濃厚でフルーティーな香り。モルトも感じられる。多少甘みが感じられ、ボディは重い。アルコール度数が高いため、のどごしは濃厚。
- 醸造所:セイロン・ブルワリー
(スリランカ・ヌワラエリヤ)
- アルコール度数:7.5%(容積)
- 輸入元:池光エンタープライズ
【日本】
★おすすめ★
アサヒ・スタウト
Asahi Stout
あの“ビア・ハンター”マイケル・ジャクソンが、彼の名を冠した“ポケット・ビア・ブック”の中で、日本のビールとしては最高点の★★★→★★★★(満点は★★★★)を付けたビール。なかなか手に入りにくいのが残念。私は銀座の升久で入手した。
そのアルコール度数の高さゆえにインペリアル・スタウトの中に入れたが、ライオン・スタウト同様、そう銘打たれているわけではなく、ドライ・スタウトにも分類できる。
<テイスティング結果>
ふくらみのある甘みとまろやかさ。アルコール分が高いので、のどごしは刺激的。食事の後、あるいは寝酒によいかもしれない。
- 醸造所:アサヒビール(日本)
- アルコール度数:8%(容積?)
キリン・スタウト
Kirin Stout
アサヒ・スタウトと並ぶ、日本産のもう一つのスタウト。アサヒ・スタウトよりドライで、これまた、アルコール度数がこれほど高くなければ、本来、ドライ・スタウトに分類すべき代物。
マイケル・ジャクソン評価はアサヒに比べれば低いが、それでも、日本のビールとしては高い★★★。アサヒ・スタウト同様、なかなか手に入りにくいのが残念。私は東京・神田駿河台の横山酒店で入手した。
<テイスティング結果>
モルトのアロマが強く感じられる。最初はまろやかな口当たりだが、すぐに苦みも感じられる。後口に苦みの余韻が残る。ボディは重い。
- 醸造所:キリンビール(日本)
- アルコール度数:8%(容積?)
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